ぺット製品臨床試験 連載コラム 02
ペットフードの原材料表示の読み方
代表的な原材料を一覧で解説!

ペットフードの安全基準は、犬猫の健康と命を守るために「ペットフード安全法」で定められています。2007年に米国で発生したメラミン混入事件により、多くの犬猫に深刻な健康被害が生じたことを契機に、日本でもペットフードを直接規制する法律の必要性が高まりました。この事件を受けて整備されたペットフード安全法では、有害物質を含むフードの製造・輸入・販売を禁止し、事業者には製造者名や賞味期限などの表示が義務付けられています。
当記事では、ペットフード安全法の対象や表示基準、具体的な安全規格、違反時の罰則などを解説します。
1. ペットフードの安全基準とは?

ペットフードの安全基準は、主に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」で定められ、製造や輸入、表示などのルールが整理されています。ここでは、安全基準が必要な理由を解説します。
1-1. 安全基準が定められている理由
ペットフードに安全基準が定められているのは、犬や猫の健康と命を守るためです。背景には、2007年に米国でメラミンが混入したペットフードにより犬や猫に大規模な健康被害が発生した事件があります。問題の製品は日本にも流通していましたが、自主回収が行われ、被害は回避されました。
一方で当時の日本には、ペットフードを直接規制する法律がなく、安全性に対する不安が高まりました。そこでペットフード安全法が整備され、犬用・猫用のフードを対象に、有害物質を含むフードの製造・輸入・販売を抑止し、事業者に製造者名や賞味期限などの表示を義務付けています。
環境省と農林水産省が基準作りと監視を担い、製造・輸入業者には届出や記録の作成を求めます。国は立入検査で取組状況を確認し、必要に応じて廃棄や回収を命じられるため、事故対応が遅れるリスクを下げます。表示と記録がそろうことで、原因の特定や回収も進めやすくなります。
2. ペットフード安全法の概要

ペットフード安全法は、犬猫用ペットフードの安全を守るため、製造・輸入・販売の基準や表示義務を定め、問題時の回収命令も可能にした法律です。ここでは、対象者・対象動物・表示基準を分かりやすく順に整理します。
2-1. 対象者
ペットフード安全法の主な対象者は、犬猫用ペットフードを製造または輸入する事業者で、法人か個人かを問いません。加えて、流通段階で販売を行う事業者も対象に含まれます。製造業者と輸入業者は、氏名や事業場の名称などを国へ届け出る義務があります。
さらに、輸入・製造・販売の記録を帳簿に残して保存することが求められ、販売業者は小売を除いて帳簿の備え付けが必要になります。帳簿には製品名や数量、取引日、出荷先などを記載し、必要な場合に回収範囲を速やかに特定できるようにしています。こうした仕組みがトレーサビリティ確保の土台となります。国は健康被害の防止が必要と判断したとき、廃棄や回収を命じる場合があり、その際に帳簿が活用されます。
2-2. 対象となるペット
ペットフード安全法の対象は、犬用と猫用のペットフードに限られ、犬と猫以外は対象外です。栄養の供給を目的として、店舗や通販で包装され販売されるフードが想定されています。
規制の対象となる例は、総合栄養食や一般食、おやつ、スナック、ガム、生肉、サプリメント、ミネラルウオーターなどです。療法食も、医薬品に該当しない限り対象に含まれます。規制の対象とならない例は、動物用医薬品、飲み込まないおもちゃ、容器、またたび、猫草、店内でそのまま飲食するフード、調査研究用フードなどです。
迷うときは、犬猫向けかどうか、包装して販売されるものかどうかで確認します。店内飲食用のフードは対象外ですが、あらかじめ持ち帰り用に個別包装して販売するフードは対象になります。
2-3. 表示基準
ペットフード安全法では、販売される犬用・猫用ペットフードに、一定の表示が義務付けられています。表示は主に容器包装に記載され、飼い主が選ぶ際の判断材料になります。
| 表示項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名称 | 犬用か猫用かが分かる表現にします |
| 賞味期限 | 栄養価や風味を保証できる期限を表示します |
| 原材料名 | 添加物も含めて使用しているすべての原材料を表示します |
| 原産国名 | 製造された国名を表示します |
| 製造業者と住所 | 事業所の種別と名称・住所を表示します |
表示は、購入者が内容や品質、連絡先を確認できるようにするための最低限の情報です。まず犬用か猫用かが分かる名称を見て、次に賞味期限と原材料名を確認します。原材料は添加物も含めて表示されます。製造業者または輸入業者などの名称と住所、原産国名までそろっているかを最後にチェックすると、トラブル時の問い合わせや回収にもつながります。
3. ペットフード安全法による安全基準・規格
ペットフード安全法では、農薬や汚染物質、添加物について基準値を設け、上限を超える量を含む製品の製造・輸入・販売を防ぎます。基準値は検査で確認され、違反品は回収や廃棄の対象になります。以下は定められている成分の規格で、含有量は定められた量以下でなくてはなりません。

引用:環境省/https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/petfood/standard.html
汚染物質のアフラトキシンB1は、トウモロコシなどの穀類に繁殖したかびが産生し、発がん性が指摘されています。農薬のメタミドホスは国内で使用が認められていませんが、海外で使われる地域もあり、輸入原料などから検出される可能性があります。添加物のエトキシキン、BHT、BHAは酸化劣化を抑える目的で用いられ、保存中の風味低下や栄養の劣化を抑える一方で使用量の上限が決まります。
あわせて、有害微生物の増殖を抑える加熱・乾燥、猫用へのプロピレングリコール不使用、汚染が疑われる原材料の排除も求められます。原材料の受け入れ時点で証明書や検査結果を確認し、異常があれば使用を止めます。記録を残し、後から追える体制も整えます。
4. ペットフードの安全基準に基づく禁止事項・罰則
ペットフード安全法における基準や規格に適合しない製品、有害物質を含む製品については、国がその製造・輸入・販売を禁止することができます。また、すでに販売されている場合には、廃棄や回収を命令する権限があります。
国および独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)は、事業者への報告徴収や無通告の立入検査を実施し、帳簿や表示の確認、製品の分析を行います。検査結果や違反の有無は毎月公表されます。
罰則として、基準違反や有害製品の製造・販売を行った場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金、法人の場合は1億円以下の罰金が科されます。さらに、虚偽の届出や立入検査の拒否は30万円以下の罰金、帳簿の虚偽記載は10万円以下の過料です。安全上の重大な違反が発覚した場合は、国が報道発表を行い、広く注意を喚起します。
5. 健康を守るためのペットフードの与え方と取り扱い

犬は雑食性、猫は肉食性のため、それぞれの専用フードを選ぶことが大切です。目的と成長段階に応じて、主食となる「総合栄養食」、おやつ用の「間食」、特定の栄養補給や病気の療法を目的とした「その他の目的食」を使い分けましょう。
未開封のフードは直射日光を避け、温度変化の少ない場所に保管します。開封後は酸化やかびを防ぐため密封し、ドライタイプは常温で1か月以内、ウェットタイプは20分以内に食べきるのが目安です。余った分は冷蔵庫で保管し、できるだけその日のうちに使い切りましょう。セミモイストタイプは冷蔵で約2週間以内に使い切ることが推奨されています。
まとめ
ペットフード安全法は、犬猫用フードの安全を守るため、製造・輸入・販売の基準や表示義務を定めた法律です。2007年の米国でのメラミン混入事件を契機に整備され、有害物質の規制や事業者への届出・記録義務を課しています。
対象は犬用・猫用フードで、容器包装には名称、賞味期限、原材料名、原産国名、製造業者と住所の表示が必須です。アフラトキシンB1や農薬、添加物などの基準値が設けられ、違反時には回収命令が出され罰則が科されます。環境省と農林水産省が監視を担い、立入検査により安全性を確保しています。飼い主は専用フードを選び、適切な保管と給餌を心がけることが重要です。
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